以前から当工房の手押し鉋盤は始動時に異常(すぐに回転数が立ち上がらない)がありだましだまし使い続けてきたが、本日スイッチ投入も動かず直ぐに大元の電力リミッターが落ちた。早速モータ周辺を点検すると過熱臭と物凄い刺激臭が漂っており、モータを架台から取り外し機械の外で配電箱を開けたら、始動用コンデンサが膨張と液漏れを起こしていた。
嗚呼これでルーバ製作に大きな遅延が発生し偉いことになると覚悟した。しかし、嘆いていても仕方ないので、本故障の原因を探った。以下の手順である。
1.始動用コンデンサが膨張破裂して液漏れを起こしている。相当過熱され電線の根本も被覆が溶けている。
2.そこで、単純なコンデンサ不良かと思い、正常なものと交換し始動スイッチをオンにすると回転はするが
当該コンデンサは僅か数秒間の電源投入でも手のひらで触れない状況であった。
3.2.の不具合条件を満たすものは何かを探った。始動用コンデンサは、休止中は常時界磁コイルに遠心スイッチで接続されている。モータの始動と同時に遠心分離動作し始動用コンデンサは界磁コイルから切断される。しかし、モータ後端面にある遠心スイッチは眺めると常時オンの状態で始動後オフになっていないのを見つけた。
3.冷却ファンを取り外し遠心スイッチを良く観察すると正常な位置より、より後端面に大きくずれているのに気づいた。
4.以上で、遠心スイッチ取り付け位置の不具合と判断。冷却ファンを取り外し遠心スイッチを内側に移動取り付け直した。これで電源再投入するとモータは、見事に安定した回転と静粛さを取り戻し、コンデンサ始動モータの独特な始動及び停止前の遠心スイッチが動作する音がハッキリ聞こえるようになった。
5.明日は日曜日であるが、手押し鉋盤の取付架台に付け戻し最終の確認を行う。
以上が故障診断と処置である。もし、似た症状で困っている方がいれば参考にしていただきたい。



